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2023-10-17 23:20:00
卒乳・断乳について
急に寒くなり、体調を崩したりしやすい時期ですね。
季節の変わり目は、乳房トラブルが多く、乳腺炎で受診する方も増えてきます。
今日は、断乳・卒乳のお話をしたいと思います。
文字通り、断乳は、突然乳を止める事で、ママが病気になったり、子供が病気になったり、
仕事復帰や保育園入園など、様々な理由があると思います。
卒乳は、子供の成長に合わせて、離乳食が進み、歩いたり、他に興味が出てくることで、母乳を自然に飲まなくなるのを待って、子供主体でおっぱいを卒業することです。
厚生労働省からは、授乳・離乳の支援ガイドも出ています。参考にされてください。
やっと卒業!と思うママもいれば、不本意に、母乳をやめなければならない方もいるでしょう。
沢山母乳を作ってくれたおっぱいと、沢山飲んでくれた赤ちゃんに感謝しながら、おっぱい卒業をしていきましょう。
今は、働くママも多いので、計画的に授乳をやめる方が多いように思います。
計画的に授乳をやめていく場合は、以下の点に注意が必要です。
①季節の変わり目や、梅雨時期・真夏などを避け、気候の良い時期を選びましょう。
②予防接種や旅行、パパの出張など、家族の予定と重ならない時を選びましょう。
③授乳回数が多い場合は、2~3回/日までは授乳を減らし、夜中の授乳は控えましょう。
④離乳食がすすんで、1日3回食となっている時期が良いでしょう。
⑤しっかりと歩き、外遊びができる時期が良いでしょう。
断乳にしても、卒乳にしても、ママの対応としては、
①食事の内容によって、乳腺が詰まりやすいなどのエビデンスはありませんが、乳房が張りやすくなると感じる食事や、カロリーの高い食事は避けておきましょう。
②なるべく乳房は触らないようにして、乳房の緊満が出てきた場合には、圧抜き程度に搾乳をしましょう(圧抜きの方法参照)。搾乳する頻度や量を徐々に減らしていき、冷罨法を実施しても良いです。
③授乳をやめる、または、搾乳をやめた後、3日後、少し搾って見てください。まだ、母乳が出ると思います。1週間ほどしたら、また、ほんの少し搾る。2週間後、ほとんど出なくなっているはずです。黄色く、ネバネバした乳汁が分泌されてくると思いますので、少し搾り出したら、終了です。
搾り出しをしないと、次の子供の時に、古いおっぱいが出るとか、癌になるとか言われましたと聞くこともありますが、分泌物は吸収され、癌化するなどのエビデンスはありません。
分泌を止める過程で、乳房のしこりや緊満が強く熱が出るなどあれば、専門家に相談をしにいきましょう。
お子さん対応としては、
①授乳回数を減らした分は、水分をしっかり与えましょう。
②子供はいつも授乳している場所を覚えるので、固定した場所があれば、座らないようにしましょう。
③子供がおっぱいを欲しがる前に、栄養のあるおやつを与えたり、本を読む、外に連れ出して遊ぶなど、気をそらしてみたり、パパに食事を与えてもらうなど、周りの協力を得ましょう。
④2~3歳の子供には、もうすぐおっぱいとはなれることを言い聞かせてみましょう。「おっぱいバイバイ」と言って余計に吸ってくるかもしれませんが、その時は十分に与えて、おっぱいを止める日を決めましょう。
⑤授乳をやめた後でも、おっぱいをみると欲しがるので、お風呂はパパと一緒にはいるようにしましょう。
うまくいけば、自然におっぱいを欲しがらなくなりますが、夜泣きや後追い、物への執着、噛みつきなど、いままで起こらなかった兆候が見られる場合は、卒乳が早すぎるというサインかもしれません。ゆっくりと、その子のペースで進めるようにしましょう。
動物として、哺乳類の観点からすると、人間の母乳育児の期間は2年間は必要とされています。赤ちゃんの成長や、ライフプランに合わせて、どのようにするのがいいのか、悩む時は、専門家に相談してみましょう。