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2020-05-31 09:19:00
母乳とアルコール、カフェインについて。
母乳だと、我慢しないといけない事が多いって、思うこともありますよね。
もちろん、赤ちゃんのために、少し控えてもらわないといけないものがあります。
今回は、アルコールとカフェインについてお話します。
母乳中のアルコール濃度は、ママの血中アルコール濃度の90%ほどにもなると言われています。
アルコールの半減期(血中濃度が半分になるまでの時間)は、30分ほど。
通常、半減期の5倍すぎれば、体内からなくなったと考えられますので、2時間半ほど経つとお酒が抜けていると感じると思います。
もちろん、泥酔するまで飲んで、3時間経ったからと言って、酔いから覚めていることはないですので、飲む量や個人の代謝能力によって差はあります。
少し飲んで、3時間ほど経って、酔いが覚めている状態であれば、母乳のアルコール濃度もかなり低くなっているということです。
ですので、個人差はありますが、アルコールをどうしても飲みたい時は、好きなお酒を少しくらいであれば、大丈夫ですよとお答えしています。
でも、少しのはずが、泥酔するまで…、
癖になって、毎日飲むように…などと、やめられなくなったり、
飲んだ後に爆睡してしまう、
3時間空けて赤ちゃんに飲ませた後に、赤ちゃんが赤くなる、寝過ぎてしまう、様子がおかしいなど、いつもと違う場合は、少しでもやめておいた方がいいでしょう。
具体的には、1日最大でも体重あたり0.5gとの指針が出ていて(アメリカ小児科学会)、個人の代謝能力が違いますが50kgの女性であれば、350mlの缶1本、ワインはグラス1杯程度であれば許容範囲内と言われています。
ご家族の理解も大切ですので、パパにも協力してもらい、飲む時は、少し赤ちゃんの相手をしてもらいましょう。赤ちゃんに1回ミルクを足して、授乳時間が空いてしまい、おっぱいが張る時は、1回搾乳をするといいでしょう。
次に、カフェインについてですが、母乳中のカフェイン濃度は、カフェインを摂ってから15~30分程度で最高濃度になります。移行するのは、1%程度と少ないのですが、半減期が長く、2.5~4.5時間です。つまり、半日以上体内に残ってしまいます。
そして、生後1ヶ月の赤ちゃんのアルコール半減期は80時間と長く、4ヵ月の赤ちゃんでも14時間と言われています。
コーヒーも1日2杯程度であれば、影響は少ないと言われていますが、他にも合わせてカフェインが含まれているもの(エナジードリンクや紅茶・緑茶)を飲む場合は、注意が必要です。
赤ちゃんが、いつもより不眠、興奮状態が続くなどの場合は、カフェインは控えていた方が良いでしょう。
最近では、カフェインレスのものが販売されていて、私もコーヒーが大好きですが、寝る前などには、カフェインレスのもの、ディカフェと呼ばれるコーヒーを飲んでいます。
我慢をするストレスがあるのであれば、母乳育児のバランスをとるためにも、嗜好品はうまく取り入れられるといいですね。
2020-05-28 17:11:00
母乳の方が、ミルクよりいいですか??(ママ編)
母乳は、赤ちゃんのためにあげるものと思っていませんか?
もちろんそうですが、ママにも利点がたくさんあるのです。
母乳育児によってリスクが低下すると結果が出ている病気には、女性特有のガン(閉経前の乳がん、卵巣ガン、子宮体ガン)、骨粗しょう症、関節リウマチ、産後うつ、メタボリックシンドローム、2型糖尿病、高血圧、心筋梗塞・・・など、様々な報告があります。
また、女性は妊娠すると、母乳を出すために妊娠中に脂肪を蓄えます。母乳育児をすると、蓄えた脂肪を消費するために、産後6ヶ月間は、1ヶ月に平均で0.5kg〜1kgの体重減少が見込めます。
お産後に体重を測って、「全然体重減ってない!!」と、落胆するママも多いですが、それは、これから母乳を出すために脂肪が蓄えられているからなんです(あと、産後1ヶ月くらいは「むくみ」もあります)。半年で体重はもとに戻ります(戻るはず)。授乳によって、500kcal/日を使用すると言われていますので、天然のダイエットですね。
でも、ダイエットしたいからと、食事を制限するのは危険です。授乳女性のカロリー付加量は350kcal/日必要ですので、母乳から赤ちゃんに栄養を与えるためにも、しっかり食事を摂ってください。食事に関しては、また、今度、お話ししたいと思います。
心理的な面では、母乳を作っているホルモンが神経に働くため、リラックス作用やストレスへの耐性を強めてくれる効果があります。もちろん、赤ちゃんとの愛着形成も。これは、搾乳でも効果があります。赤ちゃんと離れているママは、赤ちゃんの写真を眺めながら、搾乳をしてみてください。
他には、経済的なことととして、母乳だと、ミルクや哺乳瓶、消毒の費用がかかりません。ミルクによってもお値段が違うので、幅はありますが、ミルクだけでも1ヶ月1万円〜1万5千円ほどかかると言われています。
もし、母乳が出るのであれば、ミルクは困った時のレスキューミルクくらいにできるといいですね。
2020-05-28 16:46:00
母乳の方が、ミルクよりもいいですか?(栄養編)
母乳は、赤ちゃんにとって最適な栄養源です。
ネットや様々な文献をみても、母乳の利点については数多くの事が書かれています。
いまや、母乳は科学的に研究され、赤ちゃんだけでなく、人間のヘルスケアに幅広く活用されています。
でも、母乳をあげたくてもあげることができなかった。
思うように母乳がでなかった、母乳だけになると、授乳が辛かった。
そんな事もあると思います。
私自身は、もちろん母乳を推奨しますが、
足りなかったり、すごく疲れたり、そんな時は、ミルクに頼ってくださいと言っています。
日本のミルク会社さん達も、ものすごく研究しています。
母乳に近づけた、オリゴ糖やラクトフェリン、DHA、アラキドン酸などを含むミルクが販売されています。
では、なぜ母乳が、赤ちゃんにとって最適な栄養源なのでしょうか?
母乳には、免疫物質、ホルモン、消化酵素、成長因子、タンパク質、脂肪、その他にも様々な栄養素が含まれています。
もちろん、ウイルスや細菌も含まれていることがありますので、妊娠中に、ママは検査で感染症のチェックをしています。
よく、ママたちに聞かれるのが、免疫物質について。
特に、初乳と言われる、生後数日の母乳に多く含まれています。
赤ちゃんはママのお腹の中にいる時に、病気に対する免疫(抵抗力)をもらって産まれてきます。この免疫は、産まれてから徐々に減っていき、自分で免疫を獲得していくまでは、母乳で免疫を補っていくのです。
また、赤ちゃんを守ってくれる母乳の物質は、様々な臓器に働きかけることで、感染症やアレルギー発症の予防効果があると考えられています。腸では、善い腸内細菌を作り、腸の健康が、脳の発達に影響を及ぼすという研究結果もでています。
母乳だけでは守りきれない感染症もありますので、予防接種など、赤ちゃんの成長に応じた感染予防は、地域の保健師さんや小児科の先生に相談をしてみましょう。