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2020-06-25 21:12:00

ケーキを食べると乳腺炎になりますか?

「ケーキを食べると、乳腺炎になりますか?」

 

「乳腺炎になったら、お粥にした方がいいんですか?」

「乳腺炎になったので、肉を食べないように言われました。」

など、食べ物と母乳、乳腺炎に関しての質問は多いです。

 

私も、乳腺炎の手当てをさせていただいている時は、最近の出来事を必ず聞きます。

食べ物の事も聞きますが、実は、科学的には、食べ物が原因で乳腺が詰まる事はないと考えられています。

食べたものは、胃で消化され、様々な過程を経て血液となり、その血液が乳腺で母乳となります。食べたものから、様々な栄養素が母乳に移行しますし、母乳の成分も変わってきます。ですが、ケーキの生クリームの脂肪そのものが、乳腺を詰まらせることはありません。

 

乳腺炎の原因の多くは、うったい性乳腺炎と言って、母乳が溜まりすぎて、母乳を外に運ぶ乳管という部分が詰まってくることが原因です。一番の治療法は、赤ちゃんにおっぱいをよく飲んでもらう事です。

 

それでも、ケーキが原因だとよく言われるのは、

たとえば、赤ちゃんが産まれて、お友達や親戚が赤ちゃんを見に来てくれる。

そんな時は、いつもならお昼寝したり、授乳をするのに、ママも少し無理をして、十分な休息がとれなかったり、授乳のタイミングがズレて、おっぱいを飲ませられなかったりすると思います。そこに、手土産で頂いたお菓子やケーキ、果物をついつい沢山食べてしまった。翌日に、おっぱいが張って辛い思いをして、ケーキ食べたからだと、ケーキのせいにする。という流れなのかなと考えます。

 

他には、季節の変わり目だったり、少しストレスを抱えていたり、赤ちゃんが遊び飲みをしていて、十分飲みとれていなかったなど、何かしら、生活に変化があった時に起きやすいです。

 

よく、食事指導が行われますが、長年、おっぱいのケアをしている助産師さんは、食べ物で、おっぱいの質が変わると話します。もちろん、私たちは、食べた物を消化し、体に合う、合わないもあります。母乳の組成に少し変化はありますが、無理に食事制限をする必要はありません。

消化に良いものを、バランスよく摂取して、赤ちゃんによく飲んでもらうと、大体の乳房の張りはとれます。

母乳が溜まっていると、塩分の濃度が高くなるため、赤ちゃんには、苦味として認識されます。赤ちゃんが飲まない、嫌がるときは、搾乳をして、溜まっている母乳を出してあげましょう。

 

乳房が赤く腫れ上がり、硬くなり、熱をもち、赤ちゃんに飲んでもらっても、搾乳をしても、24時間以上同じ症状が続く場合は、地域の助産師さんや、病院に相談をしましょう。

放っておいた場合に、ママの免疫力が低下していたりすると、菌が繁殖し、細菌性の乳腺炎を発症することがあります。

無理はせず、治らない場合は、相談をしましょう。

私も、オンラインでご相談を受けていますよ。

 

これから夏になり、脱水になると、乳腺も詰まりやすくなりますので、脱水予防に努めましょう!

ケーキを食べると乳腺炎になりますか?

2020-06-13 17:34:00

母乳って、どうやって作られるの?

母乳はどうやって作られるの?

 

今日は、母乳のでる仕組みについてお話ししようと思います。

母乳は、ママの血液からできています。血液が乳腺と呼ばれる組織で、酵素により変化し、白い母乳となります。

母乳の産生は、妊娠16週頃から始まっていて、妊娠中は、胎盤から出るホルモンによって、母乳産生が抑えられています。赤ちゃんが産まれて、胎盤が外に出ると、プロラクチンというホルモンが働き始め、母乳がでる仕組みになっています。

もし、早産で出産をしても、母乳を出す準備は整っているので、ちゃんと母乳は出ます。ご安心ください。

妊娠後期になると、少し母乳が出る人もいますが、母乳を作る準備をしているところですので、問題ありません。

そして、このホルモンは、お産後に頻回に授乳をすることで、分泌が上昇し、よりたくさんの母乳を作るように働きます。逆に、分娩後に何もしないと、血中の濃度が下がっていき、1〜3週間ほどで妊娠前の状態に戻ってしまいます。

ですので、お産が終わったら、ママも疲れているとは思いますが、おっぱいを吸わせてあげてください。

また、赤ちゃんがおっぱいを吸うと、乳腺から母乳を外に出すホルモン(オキシトシン)が出ます。オキシトシンは、子宮の収縮を促したり、リラックス効果があります。

もし、お産の後に、赤ちゃんと離れ離れになって、授乳ができなくても、搾乳をすることで、ホルモン値は上昇しますので、搾乳をすると良いでしょう。

このように、おっぱいは、ホルモンが深く関わっていて、ストレスや肥満、喫煙により低下することがわかっています。

授乳をするときは、できるだけ落ち着いた環境で、リラックスして、赤ちゃんと肌と肌の触れ合いを楽しめるといいですね。

 

 

母乳って、どうやって作られるの?

2020-06-05 22:45:00

母乳って、ミルクよりいいですか?(赤ちゃん編)

母乳は、赤ちゃんにとっていいものであるという、漠然とした認識はあると思います。

では、具体的に、どのようにいいのでしょう?

 

母乳育児を続けると、赤ちゃんの様々な病気の発症率を下げる効果があります。

母乳は、口から飲んで、胃・腸を通り、排泄されます。そして、たまに、ゲップと一緒に吐いたりして、少し鼻や気道の粘膜にもつきます。

母乳を3ヵ月以上飲んでいる赤ちゃんは中耳炎や、喘息、上下気道・気管支炎などの病気にかかる率が低下すると報告されています。

腸の病気や糖尿病、SIDS(乳幼児突然死症候群)のリスクを低下させ、母乳で腸をコーティングするので、アレルギーの発症リスクも下がり、良好な腸内細菌層を育ててくれます。(アメリカ小児科学会発表)

 

病気の他には、IQとの関連性も報告されています。オーストラリアの研究では、6ヶ月以上母乳育児を行った方が、特に言語に関するIQが高いとの報告が上がっています。

また、睡眠にも影響すると言われていて、子供の睡眠は、健康・認知能力にも影響しますので、とても重要です。これは、母乳中のDHAが関わっていると考えられていて、DHAはメラトニンと呼ばれる睡眠ホルモンを調整しています。夜間に最も高くなり、赤ちゃんの睡眠リズムを作っていくのです。ちなみに、母乳中のDHAの濃度は、母親が摂取するDHAの量に依存していて、後乳と呼ばれる最後の方の母乳に多く含まれます。母乳の成分については、また詳しく書きますね。

 

最近では、メタボの予防にも効果があるという研究結果もあります。

肥満や、糖尿病の予防効果があるのです。

あれ?うちの子は、母乳飲みすぎて、太り過ぎって言われたな…と、思う方もいるかもしれませんが、母乳を飲んで、太りすぎた場合でも、赤ちゃんがハイハイしたり、歩いたりしはじめたら、標準の体重に戻っていく事が多いです。

哺乳瓶で飲む場合は、赤ちゃんは飲む量をコントロールできにくいですが、母乳では、赤ちゃんは必要なカロリーを摂取すると、後は、チュパチュパと遊び飲みをしたり、自分からおっぱいをはなしたりします。

 

病気にならないわけではなく、確率が少なかったという報告ですので、絶対ではありませんが、

ママが無理しない程度に、できるだけ、少しでも、母乳を与えてあげてください。

 

参考文献「母乳育児学」

 

母乳って、ミルクよりいいですか?(赤ちゃん編)

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