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2020-07-26 17:33:00
母乳の出を良くするには?
以前に、母乳のでる仕組みについてお話ししたと思いますが、今日は、母乳の出を良くするポイントについてお話ししようと思います。
母乳を作るホルモンは、お産後に何もしないと、妊娠前の値に下がってしまいます。
赤ちゃんがおっぱいを吸う、または、乳頭を刺激することにより、ホルモン値が上昇して、3時間ほど経つとまた下がってきます。
ですので、3時間ほどで授乳を繰り返すと、このホルモンの基礎値を上げることでき、ホルモンに対する感度(受容体の数が増加)を上昇させ、母乳の産生能力を高めてくれるのです。
このホルモンに大きく支配されるのは、産後10日目くらいまでですので、赤ちゃんが1時間、2時間しか寝なくてきついと思いますが、こまめに授乳をしていたり、直接あげられない場合は、3〜4時間でこまめに搾乳していると、母乳の量が増えるようになります。
産後10日を過ぎてくると、今度は、母乳を外に出した分だけ、作ろうとするシステムにシフトしてきます。
赤ちゃんの飲む量が増えると、母乳量も増えてきます。
母乳中には、母乳産生を抑制するタンパク質も含まれており、母乳が乳房内に溜まり、その物質の濃度が上昇すると、乳汁産生を抑制してしまいます。
赤ちゃんの哺乳力が弱かったり、直接だとうまく飲めなかったりする場合には、搾乳も取り入れて、母乳を外に出す事をしてみると良いでしょう。
また、ハーブティーや食事、マッサージで、母乳が出るようになるなど、様々な事を耳にすると思います。「○○をすると、必ずおっぱい出るようになる!」と言う保証はありませんが、私がお勧めしているのは、循環を良くすることと、できるだけストレスを溜めないことです。
授乳の前に、温かくしたタオルなどで、おっぱい全体を温めたり、肩や首回りの運動・マッサージをするのもお勧めです。
身体の中の血液の流れを良くしてくれるハーブティーや食べ物も、良いでしょう。私たちは、祖先から受け継いだ消化酵素をもっていて、地のものを食べて、消化吸収し、身体を構成しています。私はよく、土の下で育つ野菜(根菜類)を、お味噌汁にたっぷりといれて、摂ることをお勧めしています。食事やハーブティについては、また、詳しくお話ししますね。
まとめると、
・産後1〜2週間は、頻繁に授乳をする
(最低でも8回/日)
・赤ちゃんが、母乳をうまく飲みとれていない場合は、搾乳をする
・授乳前に首や肩をマッサージする、温める
・バランスのとれた食事と、適度な水分補給
・ママ以外ができることは家族に任せて、できる時に休息をとる
・無理はしないで、困った時は、専門家に相談!!
母乳、足りないのかな?と、思い、ミルクを沢山足してしまうと、赤ちゃんがおっぱいをあまり飲まなくなり、授乳の回数が減っていき、母乳の量が増えなくなります。足りないのかな?と、悩む時は、一度、病院や助産師さんに相談して、赤ちゃんの成長やママのおっぱいの状態をみてもらうと良いですね☺️
2020-07-19 10:19:00
母乳、足りてるの?
母乳の出は、本当に、人それぞれです。
何も悩むことなく、溢れるように出る方もいれば、いつも、母乳の出が悪いと悩んでいる方もいます。
悩みすぎて、「自分のおっぱいは出ない」と、母乳をやめてしまう方もいます。
でも、私たち哺乳類は、量は違えど、みんな、母乳を作る能力があります。ホルモンの病気だったり、手術をしている方では、本当にでない方もいますので、かかりつけの病院や助産師さんに相談をしてみましょう。
以前にもお話ししましたが、母乳は妊娠中から作られており、分娩後に、胎盤が外に出ることによって、分泌が始まります。
ママ達は、赤ちゃんを産んで、すぐに母乳が沢山出ると思っている方も多いですが、産後すぐには、平均でも1回の授乳で1~5cc程の分泌しかありません。2~3日経つと、少しずつ分泌量が増えて、病院を退院する頃には40~50cc程出るようになります。もちろん個人差はありますので、退院する頃にも、分泌量が少なかったり、出過ぎて困るようなママもいます。
赤ちゃんの胃も、最初はさくらんぼくらいの大きさしかありません。1ヶ月程かけて、卵くらいの大きさになっていきます。ですので、少量のんで、寝て、すぐにお腹が空いて、また飲んで、を繰り返しているのです。
あまりまとまって寝てくれないから、母乳が足りていないのかな?と思うかもしれませんが、赤ちゃんが泣く理由は、お腹が空いているからというだけではありません。
確かに、ミルクを足すと、赤ちゃんは良く寝てくれます。それは、母乳に比べて、ミルクの消化の時間が倍の時間かかるからです。
そして、哺乳瓶だと10分くらいで飲むのに、母乳だと30分以上かかるから、母乳の出が悪いのかなと思う方もいますが、母乳は哺乳瓶の8倍ほどの力が必要だとも言われています。赤ちゃんも、ゆっくりゆっくり飲んでいるのですね。
母乳が足りているかの目安として良く使われるのが、赤ちゃんのうんちやおしっこの回数です。
1日に、うんちを1回以上、薄い色のおしっこを6回以上しているようであれば、大丈夫でしょう。うんちが出ていない場合、お腹のマッサージや綿棒浣腸をしてみて、うんちが出てくれれば、便秘かもしれません。
排泄の回数が少なく、赤ちゃんが寝ることがないくらいにずっと泣いて、おっぱいを欲しがっている場合は、赤ちゃんに必要な量の母乳が、まだ足りていない、または、母乳は出ているのに、赤ちゃんがうまく飲みとれていない事もありますので、ミルクか搾乳を足してあげましょう。
ミルクを足すと、寝てくれる安心感で、ミルクの量が増えていき、母乳の量が少なくなってくる方もいますので、悩む場合は、一度、病院や助産師さんに相談をしてみましょう。
2020-07-05 23:52:00
母乳はどれくらいの時間あげたらいいですか?
「おっぱいは、どれくらいの時間、吸わせていたらいいですか?」
「はずそうとすると、また吸い始めます。」
おっぱいの時間は、ママと赤ちゃんにとって、とても大切な時間です。
赤ちゃんが満足するまで、好きなだけ、吸わせてください。
このように返答したいものですが、ママの時間も限られています。
乳首も吸われすぎて痛くなってくる事もあります。
母乳外来をしていると、ママ達から、
「左右5分ずつ吸わせて、まだ飲みそうだったらまた5分ずつ吸わせるように言われました」
「30分も吸わせているのは母乳が足りないとからだと言われました」
という意見をよく耳にします。
専門家の意見、ネットにも様々な事が書いてあります。
最近では、スマホのアプリでタイマーと睨めっこしながら、授乳をしているママをよく見かけます。
ママと赤ちゃんの状態によって違うので、何分吸わせるのが正解という事はありません。
赤ちゃんも、サクッと飲んでしまうこともあれば、ママに甘えながら、ゆっくりと飲んでいる時もあります。
できれば、時計と睨めっこするのではなく、赤ちゃんの様子を見ながら、
「休憩が多くなってきたな」「満足そうな顔になってきたな」を終了の合図にしてもらえればなと思います。
飲み終わったかな?の時に、赤ちゃんの口から乳首を離そうとするとまた、吸い始めるということもしばしばあります。赤ちゃんには、吸啜反射というものがあるので、刺激が加わると、また吸い始めます。ですので、口角にママの小指を入れて、そっと離してあげてください。
それでも、やはり、「5分5分」でという神話があるのは、ママたちが、目安を知ると安心するということと、生まれたての赤ちゃんは、まだ哺乳力が弱くて、片方のおっぱいを飲んで寝てしまうということがあるからなのかなと考えたりします。赤ちゃんは、吸い始めに沢山の量を飲むため、15分で授乳を終える赤ちゃんであれば、最初の5分程で7割くらいをの量を飲んでいると言われています。では、その後は、何をしているのかというと、赤ちゃんには、吸啜欲があるので、チュパチュパすることで、欲求が満たされ(ママの愛情を飲んでるのですね)、また、後乳と呼ばれる脂肪分に富んだ、赤ちゃんの成長に欠かせない母乳を、味わいながら飲んでいるのです。5分と言われたから、5分で止めるのではなくて、できれば、最後の後乳と呼ばれる母乳まで、しっかり与えてあげてください。
休む暇なく授乳をしていて、赤ちゃんが全く寝ない、おしっこやウンチが少ないなどがあれば、赤ちゃんは必要な量の母乳を飲めていない可能性もありますので、専門家に相談してみましょう。