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2024-11-21 22:51:00

赤ちゃんの黄疸って、何ですか?

赤ちゃんの黄疸って、何ですか?

治療が必要と言われました、大丈夫かな?

 

 赤ちゃんが産まれて、23日して、病院のスタッフから、「赤ちゃんの黄疸が強いです。」「治療が必要です。」などと言われることがあります。

 黄疸とは、ビリルビンと呼ばれる物質が、赤ちゃんに蓄積して、高ビリルビン血症になっている状態を指します。ビリルビンという物質は、尿や便に色をつけている黄色い色素です。黄疸が強くなると、皮膚や目の白いところが、黄色くなります。

 ビリルビンは、血液の成分である、赤血球が破壊されることにより生成されます。赤ちゃんは、産まれてから、ママのお腹の中で使用していた多くの赤血球を壊します。ビリルビンは肝臓で代謝され、排泄される形に変化しますが、代謝する能力が未熟なため、生後23日から黄疸が強くなり、改善するのに2週間ほどかかります。ですので、赤ちゃんに黄疸が出るのは、自然なことで、これを「生理的黄疸」といいます。特に日本人は、白人に比べて黄疸が出やすく、ビリルビンの値も約2倍ほどになります。

 何らかの原因で、ビリルビンが多く産生されたり、代謝ができない状態があると、ビリルビンが蓄積し、「核黄疸」と言って、脳を損傷してしまう恐れがあるため、大事に至る前段階で、治療を開始します。

 治療には、赤ちゃんに特別な光線を当てる「光線療法」というものが用いられます。光線を当てることで、ビリルビンを代謝しやすい形に変換して、体外への排泄を促します。光は、赤ちゃんに無害であり、通常であれば、1日治療をすることで、ビリルビンの値が正常化してきます。光を効率的に当てるため、赤ちゃんは温度管理された部屋で、おむつのみの状態になります。光を見る習性があるため、目にはアイマスクが当てられます。

 また、ビリルビンは、尿や便で体外へ排泄されますが、ビリルビンが腸内に滞ると、腸管循環が起こり、再度肝臓に戻ったりして、効率的に治療ができません。黄疸が強い場合は、赤ちゃんが飲む量を少し増やしたり、肛門刺激をして、便の排泄を促すということを行います。病院によっては、母乳を中断してミルクにしましょうと言われることがあるかもしれませんが、通常の光線療法管理で治療ができる程度の黄疸であれば、一回30分程度、光の治療を中断して母乳を与えても、ミルクに置き換えて治療を行った児と比較して、治療効果に差がないとの研究結果もあります。母乳をうまく飲みとれていない場合は、余裕があれば、搾乳をしましょう。

 赤ちゃんが、治療をするとなると、ママはすごく心配になると思います。黄疸のチェックをきちんとしてくれて、毎日、黄疸は大丈夫だったのか、話してくれる施設であれば、安心して大丈夫です。ほとんどの施設では、「ミノルタ計」と言われる、皮膚の色で黄疸のチェックをする機械で黄疸をチェックし、基準よりも高い場合は、採血を行い、ビリルビンの値を計測しています。早めの対応が行われれば、ほとんどの場合は、光線療法のみで治療は終了します。大切なことは、早めの対応、よく飲み、よく排泄することです。

「病院では、毎日、チェックしてたから安心だけど、家に帰ったら心配。」

「母乳をあげていたら、母乳性の黄疸が出ると言われて、確かにずっと黄色いけど大丈夫  

 かな?」

ということもあると思います。

黄疸が強くなっているときは、

①皮膚や目の白いところの黄色身が強くなる

②ぐったりしていて、おっぱいをあまり飲まない

③なんとなく元気がない

④落陽減少(眼球の黒目が、太陽が沈むように下の方に沈んでいく)がある

⑤反り返るような動きをする

このような症状がある場合は、小児科に連絡をして、受診をしましょう。

 

 母乳性の遷延性の黄疸もよく見られます。本当に黄色くなるので、ママは母乳が足りていないのかな?母乳だけで大丈夫かな?と心配になると思います。母乳をよく飲み、排泄もしっかりある場合は、基本的には問題ないですが、心配な場合は、一度、赤ちゃんの黄疸のチェックや体重をチェックしてもらうと安心です。問題ない場合でも2ヶ月ほど黄色身が強いままの赤ちゃんもいます。便の色が白いなどあれば、黄疸が長引く、他の原因があるかもしれませんので、便を持って、小児科を受診しましょう。

赤ちゃんの黄疸って、何ですか?